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明野・三澤農場の今

2003年8月

長すぎた梅雨の2003年
8月初旬、ブドウはフランス語で「ベレーゾン」という、果粒が柔らかくなり、着色品種では色付きが始まる時期を迎えました。果実の内部では、糖が増すかわりに酸が減少し、芳香成分やタンニンが成熟していきます。これから1~2カ月、品種ごとに最適な収穫時期に向けて本格的な成熟の過程が進行するのです。ブドウつくりにとって一番楽しみな季節です。

今年のこれまでの天候は決して良好とはいえません。4~5月に降水量が比較的多かったのは、苗の定植や新梢の発芽・伸長にとっては都合のよい面もあり、特に問題ではありません。6月の天候は持ち直して平年よりやや好天といえるでしょう。問題は梅雨明けが8月にずれ込んだ、記録的な7月の悪天候です。降雨量の平年比135%増はまだしも、日照量が62.2時間、平年比48%というのはここ25年間で最低の少なさです。山梨県でブドウと並ぶ主要果実である桃の生産においては最も重要な収穫期と重なり、糖度の低下や色付きの悪さなどの影響がでてしまいました。

幸い、ブドウにとっての本番はこれからです。悪天候による病害の発生は軽微に抑えられましたので、今後の天候に恵まれれば、高品質な果実に成熟することが充分に期待できます。

 

■人事を尽くして天命を待つ■
開園3年目を迎える明野農場は今年が本格的な初収穫の年。若々しい樹の新梢(今年伸びた枝)にはやや小振りな果房がしっかりついています。勝沼に比べて十日間ほど遅れて開花、結実を順調に迎えました。今から秋の収穫がわくわく待たれます。


ワインづくりはブドウづくりという農業に基礎をおいた仕事であり、天候の影響はある程度避けられません。しかし、すべてを天に任すわけではありません。その地域全体の気候(大気候)は変えられなくても、農場の立地条件に左右される中気候は選択できますし、ブドウ樹の周りの気候(微小気候=ミクロ・クリマ(仏)、マイクロ・クライメット(英))は人の努力によってある程度つくりだせます。これを栽培用語でキャノピー・マネジメント【樹冠管理】といいます。

幸い当社の主要な農場である勝沼町の鳥居平地区と明野村の農場は、日当たりや風通し、水はけのよい立地です。今年は例年よりも気を使って、ブドウ樹の葉が日光を受け、日陰を作らず、風通しがよくなるよう新梢の誘引や芽欠き、除葉などの作業を行うとともに、葉で行われる光合成作用の生産物(炭水化物)に比して果房重量が重くなり過ぎないように、房の数を少なくしたり、房の大きさを小さくするなど丁寧な着果―収量管理を行っています。「人事を尽くして天命を待つ」という言葉そのままに、8~9月の天候が素晴らしくなることを心から祈りつつ、あらゆる状況に対応する緻密な栽培活動=キャノピー・マネジメントを実施する日々を送っています。(H.A.)