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明野・三澤農場の今

2007年2月

短梢剪定と長梢剪定、棚と垣根の各種の仕立て型

芽数を減らすには、各枝を短く切って芽を1~2芽に減らす短梢剪定と、枝数を大胆に少なくして、残す枝の芽数は多く(5~10数芽)する長梢剪定の二つの方法があります。

一方、つる性の植物であるブドウは、支柱やワイヤーを使って幹・主枝・新梢などを一定の方向・型に伸ばして効率的に栽培します。日本で主流の棚栽培ではX字型や一文字型、世界で主流の垣根式ではVSPやリールなど数多くの仕立て型=整枝型があります。剪定は、この仕立て型に合わせて、短梢剪定と長梢剪定を組み合わせて行うのです。

例えば、X字型の仕立てでは長梢剪定が基本ですし、一文字仕立てはもっぱら短梢剪定です。主枝を水平にワイヤーに固定し、新梢を垂直に伸ばす平垣根=Vertical Shoot Positioning仕立てにおいては、長梢剪定を採用するのがギヨで、短梢剪定がコルドンになります。



■樹勢と収量を調整■

畑で実際に剪定する場合には、ブドウの樹と畑の状態を把握し、今年の適正な収穫及び来年以降の健全な成長を念頭において、残す枝と芽の数を決めます。つまり昨年伸びた枝の数や太さなど地上部の状態からその樹の地下部(根系)の潜在的な樹勢を判断し、それに相応しい今年の新梢数を予想して芽数を決め、適切な枝を使って必要な芽を残すのです。

適切な枝とは樹勢が中庸で順調な発芽と着果が期待できるものであり、具体的に言えば、太さが適当で節間が短く、断面の丸いよく登熟して芽の発達した枝のことです。(H.A.)

2007年6月

摘心作業がまもなくはじまる


(シャルドネの摘心 左側は作業済、右側は作業未)

今、山梨は葡萄の開花真っ盛りです。鳥居平農場では、5月下旬よりメルロの開花が始まりました。このグレイス通信が皆様の手に届く頃には、明野農場においても、シャルドネ、ピノ・ノワール、メルロ、カベルネ・フランと順次開花が進んでいることでしょう。葡萄の新梢は日増しに長くなり、もう2週間もすると摘芯(ピンチ)という作業を行ないます。

葡萄栽培における摘芯とは、ある程度の新梢長(葉枚数)を確保した上で、それ以上伸ばさないようにするため、成長点のある新梢の先端を切除することです。開花を終え、結実から果粒肥大という重要な時期を迎える葡萄にとって、果実の発達や成長に使われる栄養やエネルギーは膨大なものです。新梢が伸びる、すなわち、葉の枚数が増えれば、葡萄が成長するための必要なエネルギー源である糖(デンプン)を産み出す光合成の器官が増えることになります。けれども、その新たな葉を作るためにも栄養やエネルギーが使われるため、果実の成長と競合してしまうのです。その競合を避けるために、果実が十分に成長するために必要な葉の枚数をもって、それ以上の新梢の伸びを制限してしまうのです。


ちなみに、その最適な葉枚数とは約16枚、新梢長で140cm程度とも言われています。摘芯作業を終えた直後の、先端がきれいに刈り揃えられた垣根の列が並ぶ様は、農園の風景の中でも最も美しい瞬間の一つです。

■ワイン用ブドウとしての甲州種の新たなる可能性■

甲州種ワインは、和食にあう食中酒として再認識されつつあります。ここ数年の日本ワイン(甲州種ワイン)のブームの中で、その個性や特徴が評価され始めています。それには、醸造技術の面での様々な工夫や努力によるワインの品質の向上が大きく寄与していることはいうまでもありません。しかし、国際水準で秀逸なワインと肩を並べるには、まだまだ改善しなければならない点も多いです。

甲州種ワイン特有の渋みの問題もありますが、そもそも甲州種は他の欧州系ワイン専用品種に比べて、ブドウ本来の持つ香りや果実味などが優しく、造られるワインがシンプルになる事も少なくありません。そこで、やはり重要になるのは、畑の段階で、もっと甲州種ブドウそのものの質を向上させることです。ワイン用として収穫される甲州種ブドウの平均的な糖度は15~17度です。けれども、シャルドネ、メルロなどでは20度を超えています。もちろん糖度の違いだけではないでしょうが、両者の間にワイン用ブドウとしての差があるのは確かです。ウイルスに感染していない健全な甲州種では、比較的ブドウ糖度は上昇しやすいです。けれども、残念ながら、現在栽培されているほとんどの甲州種はウイルスに感染しているようです。ワイン醸造用として、ウイルスフリーの甲州種の普及は不可欠です。さらには、日本の風土・気候にあった独自の栽培法を見つけ出すことも重要でしょう。肥沃な土地、さらに降雨量の多い日本において、樹勢(新梢が伸びる勢い)が強い甲州種の樹を、中庸にバランスよく栽培するには、先人達が編み出した棚を最大限利用するのもよいでしょう。しかし、その際は、樹一本あたりの収穫量が極端に多くなることを避けなければなりません。収穫量が多くなれば自ずとブドウの品質は低下するからです。

そういった点で、一文字短梢栽培などは、棚を利用した栽培法の中でも、一樹あたりの収穫量の調整が比較的容易です。甲州種の明るい未来には、今まで以上に栽培の面からの努力が必要なのです。(H.N.)